小学校・高学年の課題
○①選択(効果・工夫)・変換、
②仮説・模式、
③関連・連環・相関・類推
子どもたちに、例えば「環境問題について調べてみたいが、どうする?」と言うと、すぐに「インターネットで調べたい」という答えが返ってきます。他にも、例えば図書館で調べるとか、実際に外に出て調べてみるとか、いろんな方法があるだろうに、調べる方法としてはインターネットしか頭に浮かんでこないというのは、パソコンに興味があると言うことかも知れませんが、何か情けない気がします。理科で実験方法を考えるときにもそうです。一つの方法しか浮かんでこないことが多々あります。これは、選択(効果・工夫)という見方・考え方が十分育っていない結果だと思います。
高学年では、低学年や中学年で分からせてきた見方・考え方を身に付けさせながら、新たに、上記3つの見方・考え方を分からせていきます。
「選択」というのは、文字通り、選ぶと言うことです。文章表現において、効果を考えて工夫します。作者が、なぜそのような表現方法を選んだのか,つまり筆者の工夫を考えることは、自分の作文にも生きてくるはずです。
「変換」あるいは、「転換」「置換」というのは、常識的な見方・考え方をひっくり返してみることです。
たぶんこうじゃないかと「仮説」を立てる、あるいは模式化(モデル化)してみるというのも、高学年になって出来るようになってほしいです。
「鳩」と「平和」とは直接の関係はないのに、つなげて考えたりします。このように両者には直接の関係はないけど、ある観点でみることで関わりを見出すことがあります。これを「関連」といいます。「象徴」もこれにあたります。題名の象徴性(「意味象徴」)や、「ごんぎつね」の最後の場面での煙(「気分象徴」と言います)など。
「相関」というのはひびきあいのことです。つれあって変わる関係,一方が変わればもう一方も変わる関係です。世の中全て、相関的だといってもいいですから、これも大切な考え方です。環境問題を考える上でも大事になってきます。
「連環」というのは,つながり合っていることです。高学年では,全てがつながりあっている世界について認識を深めたいです。
用語については、高学年ですから、ちょっと説明を加えれば、受け入れられるのではないでしょうか。
具体的な教材を使って,これらの見方・考え方を,<5年・6年の教材>で簡単に説明しています。